2009年12月30日水曜日

Casino Music's Jungle Love


今年はCD、アナログ、DL等併せて音楽ソフトを1,100枚くらい購入。
昨年、一昨年は1,500枚程度だったからやや少なくなった。
これは景気後退による僕個人の消費行動の鈍化が原因。

でも、このくらいの枚数だとある意味「消化」できる。
フリーランスになったことによる、生活時間帯の変化も
大きな要因としてあるんだろうけど、今年は結構聴いたな、
「音楽」を。

さて、twitterが楽しくてブログをさぼり気味でした。
年末、今年最後かもしれないエントリに採り上げるにはいささか
キャラの弱いアイテムかとは思いますが、昨日購入して今
聴いているCasino Musicの『Jungle Love』について。

1979年発売、話題のZEレコーズからリリースされたアルバム。
しかしJames WhiteLizzy Mercier Descloux、または
Was (Not Was) らの陰に隠れて、当時も今もあまり話題に
ならない1枚だ。

1980年、高校1年の僕はおそらく双葉社から出ていた
『テクノボーイ』というムックで彼らのことを知ったのではなかったか?
ジャケットの色合いに惹かれ、当時は月に1枚くらいしか
買えなかったLPに、彼らのデビュー盤を選んだのであった。
賭けだった。
試聴なんてできなかったし。

日本海側の人口8万人の地方都市のレコード・ショップには
カジノ・ミュージックのアルバムなんて置いてあるわけもなく、
イコール取り寄せ、取り寄せイコール買わざるを得ない、
というハードボイルドな選択。

ところが、ほどなくして届き購入し、家に帰って聴いた
その音楽は、当時の僕の好きな音楽では全くなかった。

当時僕が好きだったのは、The Monochrome Set
書いたBruce Woolley & The Camera Club、そして
日本ではMoonridersとかだったのだが、なんか違う。

いっぱしのNW好きを気取っていたものの、今思えば
ニュー・ウェイヴらしさの権化であるカジノ・ミュージック
を、僕は全くいいと思えなかった。

なんだそのヘロヘロ・ヴォーカル。
人を喰った様なスカスカなアレンジ。
時たま見せるトロピカルな香り。

今なら楽しめる。
年間1000枚以上のアルバムを聴く俺なら、
「面白いじゃん」と云える。

でも、当時月に1枚しか買えなかった高校生の俺は、
この1枚で1ヶ月過ごさなければいけないという事実に
打ちひしがれていた。好きじゃなかった。
むしろ嫌いだった。

でも、それでもいっぱい聴いて好きになろうとしたんだろうな。
紙ジャケ復刻されたそのアルバムを今聴いているんだが、
全部しっかり覚えている。
そして、結構楽しめている。
当時、音楽的素養も何もなかった高校生にとっては
ちょっとハードル高かったな、ということもわかる。

そういえば当時僕は、Talking Headsもあんまり
好きじゃなかったんだよなー。
Roxy Musicもあんまり知らなかったんだよなー。
そんな若造が迂闊に気取ってZEのレコードとか
買っちゃいけなかったんだろうなー。

当時の俺にアドヴァイスしてあげたいよ。マジで。

でも、そんな青さも含めて経験だし、
その時々なりの「青さ」を抱え続けて
僕はずっと音楽を聴き続けるのだろう。

実際、このアルバムを買った翌年1981年3月、
『A Long Vacation』というアルバムが出て、僕の
人生は大きく舵を切ったわけですからねー。

そして2009年も終わりか。

あ、Casino Musicにもし興味をお持ちでしたら、早めに
買っておいたほうがいいかも。
昨日、新宿タワーでかろうじて1枚残っていた(1枚しか
注文しなかった可能性もあり)のを僕が購入してしまい
ました。紙ジャケモノは、ある時に買っておかないと
すぐ無くなってしまいますからねー。
今後、全世界的に再評価される可能性も低いような気もするし。
(そんなアルバム別にいらねーよ、とか云わないの!)

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アフィリエイトしてません (笑)。